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AKG D112

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AKG D112はAKGを代表する低音楽器用のダイナミックマイクの一つです。重低音をそのまま拾うようなアタックの強いサウンドが特徴です。 1980年代に発売され、2010年代まで製造されていました。終盤には生産国をオーストリアから中国に変更して製造され、現在はスイーベルマウントを備えた後継機、AKG D112MK2が発売されています。 D112という機種名からも1960年代に発表された名機、D12を意識したものであることが分かります。D12は低音用のチャンバーを備えたマイクで姉妹機種としてスイーベルマウントとローカット機構を備えたD20や、そのサスペンションタイプのD25、カプセルを2つ使うことでコンデンサーマイクのように指向性切り替えを可能にしたD30などがあります。他にもD12のOEMモデルがFenderやEcholetteなどから発売されていました。 D12は使用や経年により低音が出なくなる故障が頻発したり、マイクボディを構成するプラスチックフレームが破損したりする問題を抱えていたのですが、それを克服したのがAKG D112でした。発売後、一躍低音楽器用マイクの代名詞的な存在となり、「ビッグエッグ(大きな卵)」の愛称で親しまれました。 D112には接着固定型のカプセルとD12以上に大型のチェンバーが採用され、D12のもう一つの弱点である脆弱なプラスチックフレームとは対極のタフなダイキャストボディによってカプセルが保護されています。 D112の弱点は修理が出来ないということでしょう。カプセルは完全に接着されているため分解するにはカプセルを壊すしかなく、また、壊して故障個所に辿り着いたとしてもダイヤフラム内のムービングコイルの断線であることが多いので、修理は不可能です。そのため、純正の交換用カプセルと交換するしかないのですが、入手は難しいでしょう。
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  SONY C-48 SONYが1980年代に発表した可変指向性マイクの傑作です。 1960年代のSONYの真空管マイク、SONY C-57やSONY C-107の佇まいを継承しながら、内部は全く異なるコンセプトで設計されています。 SONY C-48にはNeumann (ノイマン)U87の影響を大きく受けたマイクカプセルが採用され、単一指向性、無指向性、双指向性の切り替えを可能にしています。 U87のマイクカプセルはセンターターミネイト(中央端子)のデュアルダイヤフラム(両面振動板)で構成されているのですが、SONY C-48はU87同様、不適切な使用によるマイクカプセルのダメージによって湿気で音切れやノイズが発生することが非常に多いマイクです。 そのため、豊富な知識と確かな技術を持った専門店で購入することをお勧めします。