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【偽物】Shure SM58SE

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長い歴史を持ったマイクだけにShure SM58には数多くの偽物が存在します。 偽物は1種類だけではないので注意しましょう。 ↓このラベルがあれば間違いなく偽物です。↓ ↑旋盤の削り跡が見えるでしょうか?↑ これがあると偽物です。 壊れているので見えていますが、ダイヤフラムのムービングコイルの引き出し線と端子板をつないでいるこの赤いワイヤーは本物には存在しません。 ↓ボディ内部に謎のゴミが詰まっています。↓ ↑本物はコネクタに接続するワイヤーは青と赤です。↑ 本物はネジを時計回りに回すと持ち上がってコネクタが固定されますが、偽物では時計回りでネジが下がるのでコネクタの固定が緩みます。 ↓ホットボンドの下のトランスのように見えている物体、実はただのゴミです。↓

Altec 654A

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AKG D1000E AKG D1200E AKG D2000Eのスイッチについての考察

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AKG D1000E ゴールドバージョンもあります。 AKG D1200E AKG D2000E 今回はこの3本のマイクのスイッチについて詳しく見ていきましょう。 AKG D1000EとD1200Eはグリルが網か焼結ボールかの違いだけなので、実際には D1000E & D1200E VS D2000E という構図になります。 それぞれのマイクのスイッチ部分の写真を拡大してみましょう。 AKG D1000E ↑BMSの表記あり AKG D1200E ↑BMSの表記あり AKG D2000E ↑BM〇の表記あり AKG D2000EだけBM〇になっています。 〇って、丸?ゼロ?アルファベットの「O(オー)」? さあ、何でしょうか。 説明書を読み解くとそれぞれのポジションは下記のようになります。 B・・・Bass (ローカット無し) M・・・Medium (ローカット弱) S・・・Sharp (ローカット強) 〇・・・Off (オフ) こう見ると「〇」はアルファベットの「O(オー)」なのかもしれません。 お時間のある方は是非、説明書を御覧ください。 AKG D1200 AKG D2000

Electro Voice RE20のウレタン交換はとにかく大変というお話

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  エレクトロボイスRE20は時間が経つとマイク内部でカプセルを支えているウレタンフィルターがボロボロになり、カプセルが中でゴトゴト動くようになります。 こうなるとウレタンを交換するしかありません。 しかし、RE20のウレタン交換はなかなかやっかいです。 なぜなら、ウレタンを交換しようとすると完全に分解しないといけないからです。 どうしてこんな構造にしたのか理解に苦しみます。 分解するのも一苦労です。 グリルを固定している六角ネジが固着して外せなかったりすると大変です。 グリルが外せたとしても絶対に無理やりカプセルを引き抜いたりしないで下さい。 断線してしまいます。 よく「ウレタンを交換しました。」として販売されているRE20はボディの隙間から粉になったウレタンのカスを掻き出して新しいウレタンを詰め込んでいるだけです。 実は、RE20のカプセルを包むウレタンはコップ型になっており、掻き出すだけでは底面のウレタンカスが除去できずそのまま残ってしまいます。 面倒ですが分解して交換するのが最善です。 ウレタン交換すると下の写真のようになります。 円筒形に見えますが、底があるコップ型のウレタンです。 写真では分かりませんが、底部のウレタンの厚みは10ミリ程あります。 2か所の音波孔のウレタンも交換します。 ボディとグリルは水洗いしてウレタンカスを完全に除去します。 折角なのでダイヤフラムカバーを外してダイヤフラムを清掃しておきましょう。 メッシュの隙間から入り込んだウレタンカスを除去します。 このとき、ワイヤーを引っ掛けて断線させたり、ダイヤフラムを傷付けることがないように細心の注意を払う必要があります。 RE20のボイスコイルの引き出し線はコイル部の終端からダイヤフラム外に出ているという構造であることに留意しておきましょう。 完成

Shure 556S

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 Shure 556Sは1960年代のガイコツマイクのフラッグシップモデルです。 当時、Shureのガイコツマイクには大型と小型の2系統があり、小型タイプは現在でもSHure 55SH2やSUPER55として製造されています。大型のものは「Fat Boy」の愛称で知られ、最近ではShure創立75周年記念に5575LEとして世界中で5575本限定で製造されました。 Shure 556Sは小型ガイコツマイク55Sを継承しながらジミヘンが使用したマイクとして有名なSM56と同様のショックマウントを搭載し、1960年代当時は珍しかったキャノンコネクタをいち早く採用したプロ仕様のマイクです。 内部のマイクカートリッジは現行のものと全く異なる大型のユニットで、まさに当時の音色がします。 背面下部にはインピーダンス切り替えスイッチがあり、Hはハイインピーダンス、Mはミディアムインピーダンス、Lはローインピーダンスに切り替えが可能です。

AKG D112

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AKG D112はAKGを代表する低音楽器用のダイナミックマイクの一つです。重低音をそのまま拾うようなアタックの強いサウンドが特徴です。 1980年代に発売され、2010年代まで製造されていました。終盤には生産国をオーストリアから中国に変更して製造され、現在はスイーベルマウントを備えた後継機、AKG D112MK2が発売されています。 D112という機種名からも1960年代に発表された名機、D12を意識したものであることが分かります。D12は低音用のチャンバーを備えたマイクで姉妹機種としてスイーベルマウントとローカット機構を備えたD20や、そのサスペンションタイプのD25、カプセルを2つ使うことでコンデンサーマイクのように指向性切り替えを可能にしたD30などがあります。他にもD12のOEMモデルがFenderやEcholetteなどから発売されていました。 D12は使用や経年により低音が出なくなる故障が頻発したり、マイクボディを構成するプラスチックフレームが破損したりする問題を抱えていたのですが、それを克服したのがAKG D112でした。発売後、一躍低音楽器用マイクの代名詞的な存在となり、「ビッグエッグ(大きな卵)」の愛称で親しまれました。 D112には接着固定型のカプセルとD12以上に大型のチェンバーが採用され、D12のもう一つの弱点である脆弱なプラスチックフレームとは対極のタフなダイキャストボディによってカプセルが保護されています。 D112の弱点は修理が出来ないということでしょう。カプセルは完全に接着されているため分解するにはカプセルを壊すしかなく、また、壊して故障個所に辿り着いたとしてもダイヤフラム内のムービングコイルの断線であることが多いので、修理は不可能です。そのため、純正の交換用カプセルと交換するしかないのですが、入手は難しいでしょう。