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AKG D112

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AKG D112はAKGを代表する低音楽器用のダイナミックマイクの一つです。重低音をそのまま拾うようなアタックの強いサウンドが特徴です。 1980年代に発売され、2010年代まで製造されていました。終盤には生産国をオーストリアから中国に変更して製造され、現在はスイーベルマウントを備えた後継機、AKG D112MK2が発売されています。 D112という機種名からも1960年代に発表された名機、D12を意識したものであることが分かります。D12は低音用のチャンバーを備えたマイクで姉妹機種としてスイーベルマウントとローカット機構を備えたD20や、そのサスペンションタイプのD25、カプセルを2つ使うことでコンデンサーマイクのように指向性切り替えを可能にしたD30などがあります。他にもD12のOEMモデルがFenderやEcholetteなどから発売されていました。 D12は使用や経年により低音が出なくなる故障が頻発したり、マイクボディを構成するプラスチックフレームが破損したりする問題を抱えていたのですが、それを克服したのがAKG D112でした。発売後、一躍低音楽器用マイクの代名詞的な存在となり、「ビッグエッグ(大きな卵)」の愛称で親しまれました。 D112には接着固定型のカプセルとD12以上に大型のチェンバーが採用され、D12のもう一つの弱点である脆弱なプラスチックフレームとは対極のタフなダイキャストボディによってカプセルが保護されています。 D112の弱点は修理が出来ないということでしょう。カプセルは完全に接着されているため分解するにはカプセルを壊すしかなく、また、壊して故障個所に辿り着いたとしてもダイヤフラム内のムービングコイルの断線であることが多いので、修理は不可能です。そのため、純正の交換用カプセルと交換するしかないのですが、入手は難しいでしょう。

Oktava MK-319

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 Oktava社は昔からあるロシアの音響機器メーカーです。コンデンサーマイクだけでなく、リボンマイクも製造しています。 MK-319はMK-219の後継機種でOktavaを代表するコンデンサーマイクの一つです。 PADとローカットスイッチを備え、カプセルはダイヤフラム前にリゾネーターを配しています。 『MK-319』は、他Oktavaマイクロフォン同様に「価格からは想像できない音のクオリティー」が高く評価され、ボーカル、アコースティック楽器、オーバーヘッド用マイクとして、多くのプロミュージシャンの自宅スタジオはもちろん、著名アーティストのアルバム制作レコーディング現場においても使用されています。 Sigur Ros/シガー・ロスのセカンド・アルバム製作時、クラシックNEVEコンソールが設置され、『U47』、『U87』といった高価なノイマン・マイクが並ぶ中、「とてもいい音の、でも、とても安価な」(Jonsi Birgisson/Vo.) Oktavaマイクロホンが何本も使用されました。 -「ストリングスのオーバーヘッドでの使用において、とてもよいサウンドが得られた。」(Ken Thomas/Producer) 実際のストリングス収録風景には、『MK-319』の先代モデル、『MK-219』の姿が。 シガー・ロスのこのアルバムの大きな特徴でもある、あの滑らかで妖艶なストリングス・サウンドは、Oktavaマイクで収録されていたのです。 『MK-319』を初めて聴いた、日本のある著名エンジニアのコメントです。 -「いい意味でビンテージ寄りのサウンドですね。最近のモダンな機種に比べるとレンジは狭く感じますが、これは、ベテラン・エンジニアさん、例えば“NEVEが好きな人”、が好むサウンドだと思います。」 『MK-319』のサウンドは、モダンな他社製品群に見られるようなサウンドの華やかさはありません。 しかしながら、プレイヤーの演奏をありのままに、心地の良い豊かな音像としてリスナーの耳に届けます。

Shure Beta52A

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低音楽器用に最適な周波数特性を備え、音圧の高い楽器の力強いサウンドをクリアーに収音するBETA52Aは他の音源からの影響を受けにくいスーパーカーディオイドデザインです。 BETA 52Aはどのような用途に適していますか? プロのミュージシャンのキックドラム、バスアンプ、アコースティックベース用マイクロホンとして最適です。ステージ上でもスタジオ内でもクオリティーの高い音を収音します。 BETA52Aの特徴はなんですか? BETA 52Aの最適に調整されたスーパーカーディオイド・パターンは、 その全周波数帯域におよび、ハウリングを抑えての高ゲインの達成と、不要な音源に対する優れたセパレーションを可能にしています。また、一体式XLRコネクタ付きのダイナミック・ロッキング・スタンド・アダプターを備えているので、キックドラムの内側にも簡単に設置できます。スタンド・アダプターによりマイクロホンの位置が固定されるので、激しい衝撃や強い振動の中でも、位置がずれることはありません。また、硬化スチール製メッシュ・グリルは、移動中の衝撃や摩耗からBETA 52Aを守ります。 キックドラムなどの低音楽器用に調整された、周波数特性。 一体式XLRコネクター付きのダイナミック・ロッキング・スタンド・アダプターを備え、キックドラムの内側にも簡単に設置可能。 levels極めて高い音圧レベルでも、スタジオ・クオリティのパフォーマンスを提供。 スーパーカーディオイド・パターンにより、ハウリングを抑えての高ゲインの達成と、不要なノイズに対する優れたセパレーションを実現。 硬化スチール製メッシュ・グリルが、摩耗や衝撃からマイクロホンをガード。 エアー式ショック・マウント・システムが、メカニカル・ノイズや振動の伝達を最小限にカット。 ネオジウム・マグネットの採用により、SN比に優れた高出力を実現。 負荷インピーダンスの変化による影響を低減。 数々の伝説を生み出したShureのクオリティと信頼性を継承 ■ダイナミックマイク、バスドラム用、低音楽器用 ■超単一指向性 ■周波数特性:20Hz-10kHz ■出力インピーダンス:150Ω ■サイズ・重量:径70mm、120D×160Hmm・605g

【偽物】Shure SM58

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偽物のマイクの中で最も多く製造されているものは、やはり、1960年代から製造されワールドスタンダードになっているダイナミックマイク、Shure SM58でしょう。偽物の多さは人気の証とも言えますが、偽物のSM58には一切価値がありません。 Shure SM58の偽物が出始めたのはロゴが印刷に変わった90年代半ば頃です。それ以前のUSA時代の物やシールタイプのロゴのものでは偽物は見たことがありません。 ところで、あなたが一番最初に買ったマイクは何でしたか?初めてのマイクがShure SM58だったという人は結構多いです。 偽物販売者のターゲットになるのは本物を手にしたことのないこのようなマイクリテラシー(マイクに対する知識)の乏しい人です。 普段からマイクを使用し、本物を知っている人にとっては偽物との判別はさほど難しくありません。しかし、本物を知らない人にとっては誰か(それも多くの人に)に指摘されるまで偽物であってもあくまで本物なのです。 マイクの偽物を買ってしまったらどうすれば良いでしょうか。売り主に返品出来れば一番楽です。もし出来ない場合は自分で使用しましょう。 偽物を偽物と明記して安く再販することは親切心と自責の念からなのでしょうが犯罪です。次の購入者がその偽物を本物として再販することを防ぐためにも偽物と明記しての販売はやめましょう。 以下に偽物のShure SM58の写真を掲載しますので本物との違いを認識し、偽物の購入や流通を未然に防ぎましょう。 偽物のShure SM58の外装は本物と酷似しており、判別が非常に難しいと言えます。 【偽物 】Shure SM58の特徴 本物よりもグリルボールがやや大きい。 グリルボールは接着されていて外せない。 ロゴの文字がボテッとつぶれている。 Mの文字が下が広がっている。 RとEの文字の接触ヶ所の角度が違う。 内部の端子板の形状が異なる。端子板に文字が無い。(coded terminal Green) ワイヤの端子へのハンダ付けの手法が異なる。 ホットボンドの色が異なる。 ホットボンド内のトランスが無い。(トランスに見せかけてるが布状の物体) キャノンオスの端子のShureロゴの形状が異なる。 偽物マイク撲滅委員会は偽物マイクの流通や再流通を阻止し、偽物マイクの撲滅を目指す団体です。

Neumann M147

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Neumann M147は単一指向性の真空管コンデンサーマイクです。自己ノイズが低く、クリアなサウンドが魅力です。U47とM49モデルから継承されたK47/49デュアルダイアフラム・カプセルを採用し、フラットな周波数特性によりナチュラルなサウンドを実現しています。 M 147は、カーディオイド特性を持つ真空管コンデンサマイクロフォンです。U 47、M 49から受け継いだK 47/49デュアルダイアフラムカプセルの後に、インピーダンスコンバータ機能を持つチューブが続きます。その次のステージが、極めて低いセルフノイズレベルを実現したトランスレス出力回路です。これらの革新的な組み合わせが、同種のM 149 Tubeが、1997年のTEC Awardを受賞する決め手となりました。カプセルは、U 47に使用されたものと同等で、中音域の高い方にフラットな周波数特性を持ち、2kHz以上で3dBまでの増強があります。特殊なカプセルデザインの為、より高い周波数域では更に指向性が強くなります。これは、U 47と後継のU 47 fetの特性によく似ています。他のマイクと比較して、M 147 Tubeで使用されるインピーダンスコンバータは、たった12dB(A)/24dB(CCIR)という極めて低いセルフノイズレベルを特徴にします。また、M 149 Tube同様に厳選された真空管(三極管)と現代的な回路構成を組み合わせています。この技術は、チューブの並外れた伝達特性を最大限に生かし、音色を変化させる事なく出力に伝送します。 実はこのマイク、ヘッドグリルを外して基板に注目するとローカットとPADのスイッチが付いています。説明書にも記載されていないので知らない方が多いのではないでしょうか。そして、単一指向性なのにカプセルは両面タイプのK47!片面が汚れたらもう一方に切り替えて使ってねと。しかし、中央端子からワイヤーが出ていないのでワイヤーを付け替える必要があるという。自分でワイヤーの交換作業をするとドライバーでダイヤフラムに穴を開けそうで怖いですね。迷ったときはマイク博物館友の会のM147ワイヤー交換サービスをお申し込み下さい。もちろん、他にも基板に直付けされたサブミニチュア真空管の交換も可能です。 ところで、M147の純正ショックマウントはEA1というものです。このショックマウント、交換用のゴ...

Microtech Gefell M930

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ボーカルやナレーション録りから楽器収録まで広範囲にカバーするコンデンサーマイク。 最新のテクノロジーによる電子回路と優れた特性でノイマン伝統のM7カプセルによく似たラージダイアフラムカプセルを融合した設計です。極めてローノイズな特性はオーケストラの収録やサラウンド制作にも適しています。 サスペンションを内蔵したカプセルマウンター 電子バランスによる出力トランスレス 【仕様】 指向性:単一指向 感度:23mV/Pa 出力インピーダンス:100Ω ノイズレベル : 7dB-A(DIN EN60651) S/N : 88dB(A-weighted) SPL: ≦141dB   最大出力レベル:17dBu 給電方式 : 48VPHANTOM POWERING/DIN45596 and IEC268-15 出力コネクタ:3Pin XLR/2-pin Hot 重量 : 210g サイズ : 118mm×45Φ